2019年9月9日(月)「第2回JILIS情報法セミナー in 東京」
就活サイト「内定辞退予測」で揺れる“個人スコア社会”到来の法的問題を考える
〜現行法の解釈における課題と個人情報保護法改正への提言〜
開催趣旨
学生の就職活動(就活)を支援する大手企業が行動履歴等を人工知能(AI)で分析し、5段階にスコア化した「内定辞退予測」を一部本人に無断で企業に販売していたことが広く報道され、社会的に問題となっています。また、行動履歴等を分析し販売する「信用スコア」を問題視する声も聞かれます。
日米欧のデータフローの確保とAI等コンピュータ処理によるデータの利活用の促進によって今後の日本の経済成長を支えていこうとしている中で、事業者が“利用者の不安”というデータ利活用の見えないルールに戦々恐々となるのは、あまりにも不幸なことです。
一方、明らかに法律に違反している無知故の失敗もあります。本セミナーでは、個人情報保護法だけではなく、消費者保護法、契約法、GDPR、外部の講師をお招きして経済学・経済法、労働法といった視点から「内定辞退予測」と「信用スコア」を題材にプロファイリング等の自動化された意思決定の問題について現行法における課題を総合的に検討していきます。
また、法の欠缺や政府解釈の曖昧さも一因かもしれません。そこは、個人情報保護法の3年ごと見直しの時期にある今日、国際的なプライバシー・個人データ保護法制の潮流を見極めながら、日本の個人情報保護法は今後どこに向かっていくべきか、具体的に私案を提言したいと思います。
データエコノミーの時代にグローバルに通用する新たなビジネスを創出する時に未知の法的問題にどう対処すべきか。日米欧のデータフロー with トラストにおける、トラストを支えるものは、やはり欧米流の普遍的価値としての人権思想と、経営者と現場に求められる倫理(特にコンピュータ・エシックス)ではないでしょうか。
この点について、ビジネスパーソン、消費者、メディア、法曹など産官学民、多くの人と共に考えて参りたいと思います。ぜひご参加いただきますようご案内申し上げます。
開催概要
主 催 一般財団法人情報法制研究所(JILIS)
共 催 情報法制学会(ALIS)
日 時 2019年9月9日(月)14:30〜18:50
会 場 一橋大学 一橋講堂 (定員521名)
(東京都千代田区一ツ橋 2-1-2 学術総合センター内)
東京メトロ半蔵門線、都営三田線、都営新宿線 神保町駅(A8・A9 出口)徒歩4分
東京メトロ東西線 竹橋駅(1b 出口)徒歩4分
会 費 一般:3,000円
JILIS研究員・ALIS会員:無料
学生(院生・司法修習生含む、社会人除く):無料
メディア:無料(下記JILIS事務局宛にご連絡ください。名簿登録いたします。)
プログラム
総合司会: 白石 紘一 弁護士(東京八丁堀法律事務所)
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14:00~ |
開場 |
14:30〜
13:35 |
開会挨拶 鈴木 正朝(JILIS理事長・新潟大学教授・理研AIP) |
14:35〜15:35 (60分) |
1. パネル:就活サイト「内定辞退予測」問題とは
司会:山本 一郎 JILIS上席研究員
板倉陽一郎 JILIS参与・弁護士・理化学研究所AIP
鈴木 正朝 JILIS理事長・新潟大学教授・理研AIP
高木 浩光 JILIS理事・産業技術総合研究所主任研究員
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15:40〜16:20 (40分)
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2.報告:行動経済学から迫るプラットフォーマー規制: リクナビ事件を題材として
依田 高典 京都大学 大学院経済学研究科 教授 (講演資料)
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16:25〜17:05 (40分)
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3.報告:就活サイト「内定辞退予測」問題と労働法
倉重公太朗 弁護士(倉重・近衞・森田法律事務所)(講演資料)
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休憩15分(17:05〜17:20) |
17:20〜18:00 (40分) |
4.提言:就活サイト「内定辞退予測」問題と「信用スコア」問題
個人情報保護法上の検討と法改正に向けての提言(高木・鈴木私案)
高木 浩光 JILIS理事・産業技術総合研究所主任研究員 (講演資料)
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18:05〜18:45 (40分) |
5.登壇者の総括コメントと質疑応答
司会:山本 一郎 JILIS上席研究員
依田 高典 京都大学 大学院経済学研究科 教授
倉重公太朗 弁護士(倉重・近衞・森田法律事務所)
板倉陽一郎 JILIS参与・弁護士・理化学研究所AIP
鈴木 正朝 JILIS理事長・新潟大学教授・理研AIP
高木 浩光 JILIS理事・産業技術総合研究所主任研究員
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18:45〜18:50 |
閉会挨拶 江口 清貴(JILIS専務理事) |
取材、そのほかお問い合わせ先
jilis@jilis.org (一般財団法人情報法制研究所 事務局)